北朝鮮地上軍の師団が計画攻撃を実施するとき、数種類の機動が戦闘の実行及び流れ全体に寄与する。迂回できない（又は事後の戦闘が生起する可能性のために迂回すべきではない）CFC防御部隊を攻撃するとき、北朝鮮地上軍は、突破の開始を計画する。CFC部隊の包囲及び撃破、そして完全撃破を保障するための退却するCFC部隊の追撃がこれに引き続く。

　計画攻撃の実施において、北朝鮮地上軍は、中隊規模部隊に特別任務／目標を付与する。大隊以上の部隊は、当初の及び２次の任務／目標を付与される。２次任務／目標は、上級本部の当初の任務／目標である。例えば、大隊の２次任務は、その親連隊の当初の任務である。夜間又は視界不良時、単一の広範囲な任務が付与される。

　突破の目標は、CFCの防御を突破することにあり、CFCの側面が暴露、又はCFC前方防御陣地に間隙若しくは脆弱な防御陣地が存在するときに使用される。突破の成功のために、奇襲及び強力な火力の要素を利用する。２次攻撃部隊及び浸透部隊の突破方向の選定及び効果的な利用は、この機動の成功に重要である。

　包囲は、北朝鮮地上軍にとって主要かつ好ましい戦術機動である。可能な場合はいつでも、先遣部隊をCFC防御陣地の牽制及び交戦に使用しつつ、第１梯隊部隊がCFCの側面及び後方を攻撃することが試みられる。第２梯隊は、敵戦線が弱体化するや、突破又は二重包囲を実施する。北朝鮮地上軍の包囲中の主戦闘の重点は、分断及び撃破並びにCFC増援の到着の阻止を意図したCFCの側面に対するものである。

　分断包囲は、CFC防御陣地の最初の突破後に使用される。北朝鮮地上軍主力が防御縦深に前進するにつれ、配下部隊は、CFC残存部隊を各個に分断、孤立化、包囲、及び撃破するために、分断包囲の実施を任務とする。この機動は、北朝鮮地上軍部隊間の密接な調整及び機動を要求する。北朝鮮地上軍の計画攻撃中、いくつかの小部隊の機動は、突破又は包囲の全体的成功に寄与することを目的としている。それらは、ポチョ（補助）及びチェオン・イプ（提堰の口）である。

　ポチョ（主攻撃）は、分隊及び小隊級において重視され、CFC防御拠点の間隙を通した浸透及びCFCの後方に対する攻撃のために計画される。

　チェオン・イプ（奇襲攻撃）は、後方への浸透を可能にするため、CFCの防御陣地における小間隙の利用を強調する戦術機動である。通常、小部隊の奇襲攻撃により実施される点において、ポチョとは異なる。

　計画攻撃中、いくつかの北朝鮮地上軍部隊は、突出前進実施の任務を付与されることがある。これは、防御縦深地域に続く急勾配の稜線に沿ったCFC防御の突破を意図して、隘路に沿って登崖歩兵部隊により実施される。この形態の機動は、一般に主攻撃の突破又は包囲と連動して使用され、重火力支援を要求する。突出前進は、通常、主攻撃に隣接する地域において行われるが、CFCの防御縦深への突破に好ましい接近経路が存在しないとき、主攻撃の正面地域においても行われる。突出前進の実行において（そして地形の制限に応じて）、北朝鮮地上軍1個師団は、CFCの大隊前線に突破するための主突撃から1〜1,5 kmに位置する2個大隊を使用し、北朝鮮地上軍1個連隊は、CFC中隊の前線に突破するための主突撃から500〜700 mに位置する2個中隊を使用する。

最終更新日：2003/05/21